真に適切かつ妥当な
解決を目指して
知財事件に取り組む

パートナー

渡邉 佳行(61期)

2005年東京大学法学部卒。2007年東京大学法科大学院修了。
2017年にハーバード・ロースクールLL.M.課程を修了し、2020年に米国ニューヨーク州弁護士登録。
知的財産、紛争解決分野を柱としている。
休日は子どもと電車旅に出ている。

パートナー(元・知的財産高等裁判所所長)

清水 節(31期)

1977年東京大学法学部卒。1979年司法研修所修了。 1979年~2018年までの39年間は、裁判官として裁判所に勤務し、徳島地方・家庭裁判所長、知的財産高等裁判所長を務めた。そして2018年にY&Pへ入所。
知的財産分野を柱として、通常民事訴訟、家事事件を取り扱っている。
趣味は、テニスや旅行、ミステリーものの読書など。

知的財産高等裁判所長を退官後
Y&Pに入所

渡邉:清水先生は、2018年に知的財産高等裁判所長を退官後、Y&Pに入所されました。他にも多くのお誘いがあったと思いますが、どうしてY&Pを選ばれたのでしょうか。

清水:退官後は、自分の裁判官としての経験、特に知財訴訟における経験を活かせる仕事をしたいと考えていました。一方で、知財事務所として知財に特化した事務所ですと、事務所自体に知財訴訟に十分な知見があるため、私がプラスできる点があまりなく、旧知の先生らの相談に乗るような、アドバイザー的な形になってしまうように思いました。 Y&Pについては、知財だけに特化した事務所ではなく、訴訟事件含め、しっかりした事務所だと聞いていて、自分の経験を活かしやすいし、若い人中心にチームを組んで皆で事件を動かし、自分の経験を伝えられると考えました。

渡邉 佳行・清水 節

クライアントにとって真に適切な、社会的にも妥当な解決を目指しているのが印象的

渡邉:実際に入所してからの印象はいかがでしたか。

清水:評判どおり、企業法務を中心に、質の高い仕事をしている事務所との印象でした。 裁判所と同様に、よく調べ、詰めて考えていますし、クライアントとよく相談して、それをわかりやすく書面に落としています。こちらで書面を見てコメントするとき等も、それを適切に反映してくれますし、よりよいものにしていこうという空気があります。 また、クライアントの話をよく聞くといっても、その意向に迎合するのでなく、クライアントにとって真に適切な、社会的にも妥当な解決を目指しているのが印象的でした。

渡邉 佳行・清水 節

知財に関する大企業同士の耳目を集める案件などを多数受任

渡邉:Y&Pでの現在のお仕事は、どのようなものが多いでしょうか。

清水:知財についての訴訟等の代理、意見書の作成、各種相談が中心ですが、その他の企業間訴訟の代理も相当数行っています。 大企業同士の耳目を集める案件もあれば、大きな会社ではないが当事者にとっては重要な案件もありますし、裁判所の視点を求められて共同代理で入ることもあります。

渡邉 佳行・清水 節

裁判所の見方、バランス感覚、
関心を踏まえた主張立証の在り方を
若手弁護士に伝えていきたい

渡邉:判断者から代理人の立場になりましたが、感じた点等はありますでしょうか。

清水:裁判所時代から感じていたことですが、裁判所と適切にコミュニケートできる弁護士は必ずしも多くありません。裁判所であまり明確にいわないのも原因かもしれませんが、裁判所の心証やメッセージがあまり伝わっていない印象がありました。 裁判所は、迅速に適正な判断をしたいと思っていますので、裁判所の関心を踏まえた早期の主張立証により、裁判所と協力して有利な結論・方向を作り上げるような意識が重要です。自分でも実践していきたいですし、若い弁護士にも伝えていきたいです。

渡邉:清水先生と案件をご一緒させていただき、裁判所の事案の見方やバランス感覚、裁判所の関心を踏まえた主張立証の在り方についてご指導いただいています。 判例のない先端的な問題について意見書を依頼されることも多いですが、気を付けている点等はありますでしょうか。

清水:正直に申し上げて、高度に法律的な問題を除くと、事件の結論は担当裁判官による事実の認定・評価によるところが大きく、これから外れた意見書の価値は乏しい一方で、現場の担当裁判官の事実認定等に無遠慮に口出しするのも差し出がましいところです。 もっとも、お引き受けするからには、できるだけ争いのない事実を前提としたり、複雑な事実関係や裁判例・学説をわかりやすく整理したりと、少しでも裁判所の参考になるような形式・内容を心掛けています。

渡邉:仕事の進め方については、裁判所時代と違いはありますでしょうか。

清水:よく調べて検討するという点では裁判所と大きな違いはありませんが、裁判所時代と比べると、ひとつひとつのサイクルが早く、急いで結論を出さなければならない点は大変ですが、やりがいがあります。 また、当事者の話を直接聞いて、当事者にとってどういう解決が適切か、それをどのように実現していくかを考えていくのは、裁判所時代とは異なる責任で、面白さを感じます。

渡邉 佳行・清水 節

自身が主任・責任者として
方針を検討、成果物を作成し
コメント、修正を受けるのが第一

渡邉:事務所での後進の指導については、どのようにお考えでしょうか。

清水:法律家の成長にとっては、やはり、自身が主任・責任者として方針を検討して成果物を作成し、それにコメント、修正を受けるのが第一です。文献収集、リサーチをしているだけではダメですし、先輩・上司の事件処理を見ているだけでは力は付きません。 基本的には裁判所における左陪席の指導と同じです。私も若いときはたくさん直されましたし、部長時代もかなり直す方だったと思います。今は年代的にも自分で一から全部書くことはほとんどなく、若い人に任せる部分も多くなっていますが、成果物にはかなり細かく、レビュー、コメントしているつもりです。

渡邉 佳行・清水 節

渡邉:私も若手弁護士も、清水先生から、主任・責任者として方針の検討から任せていただき、その中で、裁判所と協力して有利な結論・方向を作り上げるという意識について大いに学ばせていただいています。 裁判所時代に清水先生と陪席裁判官・調査官等として協働された方々と、仕事にてご一緒する機会がありましたが、皆が、任せてくれる、怒らない部長であったと口にしていたのが印象的でした。

清水:若い人には、萎縮することなく伸び伸び仕事をしてほしいと思います。Y&Pでは仕事の質には厳しい面がありますが、同時にやりがいも感じられるでしょう。

渡邉:最後に、このウェブサイトをご覧になっている方(求職者)へのメッセージをお願いします。

清水:私が主に取り扱っている知財事件は、バラエティに富んだ、面白い分野です。医薬品や通信関連の特許のように、法律的・技術的に最先端の難しい問題もあれば、著作権や商標のように、感性が問われる問題もあります。 Y&Pは、事務所の規模は大きくないものの、知財の様々な案件に、自分が主任として積極的に関与できる環境があります。 若い弁護士の皆さんには、難しくて面白い知財の問題を一緒に考えて、知財を自身の専門・取扱分野に加えていってほしいと思います。