大手金融持株会社の
経営企画部へ出向
経営の最前線での議論
にも参加

アソシエイト

鈴木 隆太郎(69期)

2013年慶應義塾大学法学部卒。2015年東京大学法科大学院修了。2017年10月~2019年10月にかけて大手金融持株会社へ出向。M&A、会社法・金融商品取引法全般、金融機関のコンプライアンスを中心に幅広い案件に従事している。趣味は宝塚歌劇観劇など。

法分野ごとのセクション制が無い
ことが、Y&P入所の決め手に

ー鈴木先生は2016年12月に弁護士登録してY&P入所後、2017年10月から約2年間、Y&Pの顧問先である大手金融持株会社の法務部門に出向しました。のちほど出向の話も伺いたいですが、そもそもY&Pに入所することになった決め手はどのような点でしたか?

法科大学院時代のインターンシップ等で、「企業法務系から一般民事系に転身することはあっても逆はない」という話を聞いていたので、まずは企業法務系の事務所でキャリアをスタートさせたいと考えました。
一方で、企業法務系の事務所には規模の大きなところもありますが、そうした事務所では法分野ごとのセクション制が敷かれており、多様な法分野の業務を経験する機会が乏しいのではないかという危惧がありました。また、大規模事務所においては、ともすれば声の大きい人でないと埋もれてしまうこともあると聞いており、中規模程度の事務所の方がしっかりと先輩に指導してもらえるのではないかと考えました。

以上のように考えて、中規模程度の企業法務系の事務所を見て回る中で、自分と雰囲気等が合っていて、働きやすいのではないかと感じたY&Pに入所を決めました。

また、これは後から知った話ですが、ちょうど私が就職活動をしていた頃、大学で大変お世話になったゼミの教授とY&Pのパートナーが同じ米国のロースクールに留学し、親交もあったそうで、そういう不思議な縁もあったのかもしれません。

鈴木 隆太郎

チャレンジしたい思いがあれば
手を挙げることができるのが魅力

ー実際にY&Pに入所して、いかがでしたか?

多様な法分野の業務の経験という点では、現在比較的多く扱っている証券・金融関係法以外にも、独占禁止法・下請法や人事・労務、知的財産、エンタメ、破産管財事件など実に様々な案件を経験しています。 契約書レビュー、M&A、株主総会対応、訴訟・紛争といった企業法務に携わる弁護士の基本的な業務をいわば必修科目として習得した上で、手を挙げれば様々な分野・案件にチャレンジできる環境が整っているところがありがたいですね。オフィシャルにも今後のキャリアに関する面談の場が定期的にありますが、それにとどまらず日々パートナーの先生方とも密にコミュニケーションをとれていますので、これにチャレンジしたいなという思いがあれば、すぐに手を挙げることができるのが魅力だと思います。

鈴木 隆太郎

ー日々パートナーの先生方とも密にコミュニケーションをとれているということですが、入所後の指導という意味ではいかがでしたか?

Y&Pでは、基本的に3人体制でチームを組んで案件に対応することが多いので、指導という意味ではそれこそマンツーマンでしっかりと綿密に指導してもらいました。また、1年生であっても、責任者として意識を持つことが求められ、案件の一部のリサーチのみ行えばよいということはありません。私は決して要領が良い方ではありませんので、相当辛抱強く指導していただいたなと感謝していますし、中堅になりつつある今、そうした指導を通じて得たものを今度は自分が後輩に還元していかなければならないなと思っています。

鈴木 隆太郎

出向を通じて、事業会社の
業務内容や、意思決定プロセスに、
肌で触れられたことは財産

ー冒頭でも触れましたが、Y&Pに入所して1年弱のタイミング(2017年10月)で大手金融持株会社の法務部門に出向されました。

出向のお話をいただいたときは、弁護士誰もが経験できることではありませんし、社会人経験なく弁護士になった自分が「会社」というものを知ることができる得難い機会だと思い、ぜひ行かせてくださいとお願いしました。

当時の私は弁護士になってまだ月日が浅く、自分のような若手が出向に行ったところで会社の方は聞く耳を持ってくれるのだろうかという不安もありました。しかし、実際に会社に入ってみると、会社の方も長い目で考えてくださっているというか、「うちのことを良く知っている先生が将来的にY&Pで成長してくれれば良い」といった雰囲気で、その会社の懐の深さと、Y&Pに対する信頼を感じましたね。

鈴木 隆太郎

ー出向先ではどのような業務を担当したのですか?

出向先は大手金融持株会社の経営企画部法務課というところでした。当時は、米中摩擦、異業種からの業界参入などで金融界も大きな変動を迎えていたときでしたし、「経営企画部の中にある法務課」で執務にあたっていたので、持株会社ならではの経営のダイナミズムを身近に感じられたことが経験という意味では大きかったと思います。

具体的な業務内容としては、契約書レビューや株主総会対応、あとはいわゆるジェネラル・コーポレートというのでしょうか、企業法務に関する多様な法律相談への対応などはもちろんですが、金融界が大きな変動期にあったためか、様々な投資案件や新事業の開発案件も多かったです。投資案件は国内外のM&Aの法務面からのサポートということになりますが、新規事業の開発案件では、法務面のサポートは、どのような法律のどのような条項が問題になるかというところからはじまります。そのため、会社法や金融商品取引法だけではなく、普段あまり触れることのない老人福祉法、農地法、中国証券法などの各法令のリサーチからはじまり、新規事業の理解と条文の読み込みが大変でした。何とか事業の立上げに至った際は、労苦を共にした社員の皆さんと喜びや安堵感を社内で分かち合うことができ、そういう面も出向ならではと感じました。

ほかに印象に残っている業務は、出向中を通じて担当していた、欧州での大規模訴訟案件ですね。訴額が数百億円だったこともあり、訴訟の進行管理共々、Y&Pとも共同して、現地弁護士や会社の方と一緒になって訴訟戦略や法廷戦略を練っていきました。欧州の一流とされる弁護士の方々と共に仕事ができたことも大変勉強になりました。

ー出向を通じて身についたことや、今後の弁護士としてのキャリアにとってよかった点について教えてください。

まず、会社の内部で、法務部門の方はもちろん、事業部門の方ともやり取りを重ねる機会があり、実際の金融機関の業務内容や、会社内の意思決定の進め方などについて肌で触れられたことが大きかったと思います。 法律事務所にいると主たる窓口は法務部門の方となりますが、出向を通じて、法務部門の方の裏側には事業部門の方がいて、事業部門ではこのように考えているんだろうな、事業部門はこのように意思決定を進めようとしているんだろうな、などとある程度推察することができるようになりました。 また、金融機関の業務全般を把握することができた点も大きかったです。出向から戻ってきた後も、出向先の案件や会社法、金融商品取引法に関する案件は多いのですが、実際の業務内容を理解しておくことは案件の処理に欠かせない前提となります。

経営の最前線の議論に触れられたという点も大きかったと思います。先ほど少しお伝えしましたが、出向先は経営企画部の法務課というところでした。そのため、取締役会の全議案について法的に問題がないかのチェックと、取締役会への臨席も業務内容の一つです。私の見落としで法的に問題のある議案の審議が進んでしまったら、それこそ大問題となるので、緊張を強いられましたね。取締役会の議論は実に活発であり、経営の最前線に立たれている方の協議やものの考え方、理念、信条にも触れることができ、得ることが大きかったです。

以上のような出向の経験は弁護士としての成長にも大きく繋がっているなと感じています。実はY&Pには出向の機会も多くありますので、出向に関心がある方にはいい事務所だなと思いますね。

ー最後に、Y&Pを志望される方へのメッセージをお願いします。

Y&Pの先生方は、リーガルサービスのクオリティにとても高い意識を持たれており、少しでもよいリーガルサービスを提供したいという思いが強いと思います。こうした環境のなかで案件対応を行うことで、いつの間にか自分自身のクオリティも向上していくことを感じています。Y&Pの理念に共感され、そのために努力できるという方であれば、出向を含め、様々なチャンスが得られる環境だと思いますので、ぜひ積極的にアプライしていただきたいと思います。